頭を抱えつつ・・・

 絶不調は継続です。

ライトノベル][感想]サマー/タイム/トラベラー(新城カズマ)
 「高校生」の「夏」っていいですよね・・・、と再認識させてくれた作品。作品冒頭で結論が出ているタイプの小説で、どことなく物悲しい雰囲気が作中を支配していますがまたそこが味として感じられます。
 内容的にはSFの皮を被った青春小説と言ったところですが、そこの皮の部分の厚さは相当なもので作者の衒学趣味と豊富な知識が作り上げた設定はそれだけで十分以上に楽しめます。
 あとは、主人公の一人称で書かれているのですがその主人公がずば抜けた知能の持ち主でありながら精神性の部分は不安定な思春期の少年(これはメインキャラ全般の事ですが)として書かれておりそこの表現も非常にうまく書かれています。頭にいい人間と言うのはこういうこと考えているのかと(勿論、小説的な誇張はあるにせよ)と興味深く読ませていただきました。

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

 ・・・「高校生」の「夏」のテーマについてはいつかじっくりと文章纏められたらいいなとか考えている今日この頃。