12月の銃と少女(吉田茄矢)

 第4回富士見ミステリー大賞最終選考作。とある事情により上司に目をつけられた若きエリート刑事ホンダ・ヒロユキ(◎イヌ ●カブキ フェイト)は左遷させられた田舎町で少女に銃を突きつけた少年に出会う。といった感じで始まるアメリカのバディムービーを思わせる刑事物です。サブキャラクターの相棒にして上司の少年ウォルター・ジン・サイオン(◎イヌ ●カブトワリ=カブトワリ)や爆弾魔少女ヴィスコ・レッティ(◎マネキン ●タタラ レッガー)らは設定こそ魅力的ではあるのですが主人公に食われてる感がありその点は少し残念。
 しかし序盤のコメディタッチから終盤にかけてのシリアスな展開までテンポがよくぐんぐんとストーリーに引き込まれていきます。文章的にもストーリー的にも癖がなく軽く楽しむことが出来るのもポイントが高い。お勧めの作品です。