「約束の柱、落日の女王」いわなぎ一葉

 綺麗にまとまった良作。一読すると戦略政略部分が弱い気がしますが、そこは意図的に切り捨てた部分でしょう。主人公達が出会ったことによる成長が上手く書かれている分、そこまで書き込めば1巻では収まりきらなかったでしょう。ラストも美しく余韻を引くものです。難点は最初の主人公達の性格の悪さにより感情移入が妨げられるところでしょうか。それにしても最近、富士見は良いファンタジーの書き手を発掘してるようでこれからが少し楽しみです。