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 さよなら妖精米澤穂信
 電車で一時間ほどの街の、しかも文芸に強い書店でようやく入手。
 さて、肝心の内容ですがど真ん中に剛速球な青春物でした。ミステリ・フロンティアと銘打たれておりますがミステリーとしては弱いでしょう。しかし最後の謎は物語の主題を浮き彫りにする形でうまく使われており上手さを感じさせます。また、昨今流行の傍観者としての主人公の立ち位置の変化、成長問い言い換えてもいいでしょうか、もしっかりと描かれておりその点も好感が持てます。苦労して探しただけの甲斐はあったなと思える良作でありました。